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彼女が、屋上から飛び降りたのは、僕が正気を取り戻す2日前――あの次の日のことだそうだ。 いじめを苦に――とすら言われず、原因は不明との発表だった。 「あんなに真面目な良い子だったのに」 と――誰もが言っている。 彼女の本性も、葛藤も、一切知らずに。 僕はというと・・・あのまま気を失って。その後3日の間の記憶がない。 親の話ではただ部屋にこもっていた、という話だが・・・僕への態度が妙によそよそしいものになっていることから、心神喪失状態でとんでもないことをやったのは明らかだった。 だけど、そんなことはもう、どうでも良かった。 彼女の自殺の真相も、僕の記憶にない行動も。 ただ、最期に彼女が僕に打ち明けた話は・・・僕の胸にずっと残り続けるだろうなと思った。 そして、今改めて思う。 彼女は何て純粋な人だったんだろう、と。 精神が耐えられなくなったのか、ただの突発的な行動なのか・・・それとも僕が原因なのか、そこまでは良く分からない。 しかし、僕の目の前で微笑った少女には、一片の苦痛も感じられなかった。 死の寸前まで、彼女はきっと幸せだったのだろう。 ――勿論、死に至ることが幸せだとは言わない。 彼女は、いじめられることすら楽しんだのだ。痛みすら快感に感じたのだ。 この世に、これほど幸せなことはない。 彼女自身がどう考えたかなんて、僕には絶対に分からない。しかし、僕は想像する。あの笑顔を浮かべる瞬間の彼女を。 そこにある思いは、きっと――淫らだけど、純粋で。繊細で。誰にも責められないもの。 僕は、そんな彼女を、もう一度崇拝する。 今度は、神としてではなく――弱く、汚れた「人間」として。 どれだけ泥に塗れても。 貴女の心は、純粋なまま。汚れないまま。 闇を身に纏いながら、その姿はより美しく。 そんな、狂った世界に咲き誇る貴女へ捧げよう。 罪の中でこそ映える、純白の花束。 | |