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次の日の朝。 私は、いつものように馨君と教室前で別れると、真っ先にみつみの姿を探した。 「あ、サクラ、おはよう!」 彼女は、私の隣の席からそう声をかけてくれた。 「おはよう」 歩み寄り、カバンを机の上に置きつつ答える。 ・・・そう、何の変哲もない普通の出来事かもしれない。 だけど、私にとってそれは重要な意味を持っていた。 きっと・・・みつみも、気付いていないのだろうな。 もしかすると、私はそんな普通の学園生活を望んでいたのかもしれない。 ただ、私は拒んでいた。馬鹿みたいに、拒絶していた。 みつみの笑顔を見ると、そう思える。 「ねえ、生物の宿題やった?」 「ええ」 「サクラ、お願い!写させて!」 「・・・解らなかったの?」 「うん・・・全然」 「そう・・・構わないけれど」 そんな何気ない会話に、私は、私の中の何かが変わっていくのを感じていた。 授業中。 休み時間。 そして放課後。 私は、みつみを通して、新しい世界を体感した。 世界は、様々な色で溢れていた。 「ねえ、サクラ。今日も一緒に帰ろうよ」 「・・・うん」 「あ、今、『うん』って言った!」 楽しそうに笑うみつみ。 「変、かな」 私が呟くように言う。 「ううん。全然変じゃない。むしろそれが自然だよ」 「そう、良かった」 そして、私も微笑う。 「じゃ、帰ろっか」 「うん!」 ――こうして、人は、変わっていくのだろう。 でも、きっとそれは望ましい変化。 希薄だった現実感はその存在感を増し、嫌いだった自分も許せるようになってきている。 もちろん、悩みは山積みだ。 だけど、それら全てが上手くいくような・・・そんな気になる。 隣に、みつみがいる。 彼女は、いつでも笑ってくれる。 それだけで良い。 そして私は今日も、そして明日も・・・みつみと一緒に、微笑うのだろう。 新しく広がった、この色鮮やかな現実の中で。 |