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何一つ変わらない風景。 それに比べ、私は随分と変化した。モノクロームの景色に、色が塗られていく感覚とでも言おうか。 隣を歩く彼が、そんな私に、卑屈な笑みを寄越す。 彼の繊細さに、父の幻影を見い出していた私は、その全てを支配する喜びに満ち溢れていた。 そう、私は、馨君の中に父親を求めていたのだ。 だから、あの嫌悪感は、本来ならば愛情と呼ぶべきもの。ただ、私が気付かなかっただけだ。 ・・・いつか、彼を母にも紹介しようと思う。 父に似た、馨君。 きっと、母は彼を「朔也」と呼び、いずれ私の存在も認めてくれるようになるだろう。 そして、家族が、修復される。傷が、癒される。 罪の償いは――それで完了する。 この脳に、愛情という言葉を刻み・・・私は今日も歩いている。 今にも破れそうに薄い、紙のような現実の上を。 |